内閣府では、共生社会実現のために、毎年全国の18~30歳以下で地域で様々な分野で活躍する若者等を集めて、地域のリーダー育成支援のための研修会を行っています。
2018年1月29(月)-31日(水)、第4回内閣府青年リーダー研修会が東京都の国立オリンピック記念青少年総合センターで2泊3日で開催されました。
私は、茨城県青年団体連盟経由で、今回の研修に参加することになりました。
9月くらいに行かせていただくことになり、「全国からどんな人たちが集まっているのだろう」と「全国から選抜された青少年関連の活動をしている人は、どんな想いなんだろう」と思っていました。
内閣府青年リーダー研修前日に楽しみすぎて、抱負をブログに投稿したら(この投稿の一つ前)、受付の際に、名前をスタッフに覚えられていて、「ブログを拝見しました。」というお言葉を受け、会場に入りました。
内容は、以下の写真の通り。
初日は、3人の方々による講演。
2日目は、コミュニティオーガナイジング
3日目は、コミュニティオーガナイジングの発表と講演。
という流れでした。
いくつか掻い摘んで報告していきたいます。
※内閣府青年リーダー研修は、内閣府が主催している研修で、子供・若者育成支援のための地域連携推進事業の中の一つ「青少年育成支援を推進する事業」として行われています。
この研修を通じて、全国各地で青少年育成支援を行っている若者や青年等の育成を行い、研修生の所属する団体や研修生の能力を向上させ、自分の地域に戻って研修で学んだことを還元し、より社会貢献できるようにしていくこと目的にしています。
この研修生は、民間団体(NPO)に所属している若者でその団体の今後を担うリーダーを対象にしています。各都道府県が地域のリーダーを担う若者を推薦して、2泊3日の日程を無料で参加することが出来ます。
内閣府は宿泊費を負担してくださいますが、報酬などはなく交通費や食事などは参加者が自分の金銭で支払います。
目次
□初日研修内容(13時~17時半)
○高塚先生のご講演「ヒューマン・コミュニケーション」
もう話の入り方で心を奪われました。「あなたは人に寄り添っていますか?」「コミュニケーションをとるってどんなこと?」「コミュニケーションをとるには?」など、参加者等に問いかける形の講演や演習。
その問いかけ方、間の取り方、強弱、心からの言葉だと先生から伝わり、途中で泣きそうになりました。
コミュニケーションについての研修は多くありますが、この研修では自分たちが地域の子どもたちとどのようにかかわっているのかを見直す機会になりました。
日程の初日の最初にこの講演や演習があることで、研修生たちはモチベーションが向上を促進してくださいました。
先生の講演や演習は、また絶対に聞きたいと誰しもが思うでしょう。
ついでにこの講演中、相槌、リアクション、拍手など話を聞く姿勢、話の内容をグラフィックしていたことが、その後につながるとは私は思いませんでした。
○TEDICの門馬さんの講演
全国学生ボランティアフォーラムで出会った宮城県の友人が参加していたNPO法人の代表の方のご講演。
家庭環境に問題のある子たちとの接し方とその苦悩と現実を話してくださいました。
震災が起きた東北の子供達で家庭に問題がある子たちの想いを聞いて、追憶しました。
この門馬さんの講演は、問題がある青少年を支援する活動をしている人ならば、誰しもが感じるであろう悩みや葛藤、そして、それをどう解決していくかを関係機関と考えていくというお話は、共感できることが多いと思います。
私と同じ20代の活動家で、本当に尊敬の念を抱きます。
○NPO法人カタリバの山田将平さんの講演
今は社会課題について取り組むNPOや団体の方で、聞いたことはない人は少ないNPO法人カタリバ。
今回は、my projectという高校生が自分で企画を考えて、それを実践していく学習プログラムだったり、課外活動のプレゼン大会などについてお話し頂きました。
JRCで言うところのトレセンのワークショップの企画&発表に似ています。
今の社会では、そういった高校生の活動を支援する動きは増えています。
もし自分や榎戸が高校2年でこういったものを知っていたら、また色々道は変わったのだと思いました。
山田さんの講演では、一般的な(ここでは特に家庭問題などの差はなく、学校に通うことができる。)高校生が、社会課題に主体的に取り組むことができるアクティブラーニングを推奨している点で、共感できました。
普段の学校生活の中で、学校ー自宅というルーティンを繰り返すのではなく、そこに地域というものに目を向けるすることを支援することは、これから迫りくる社会課題を解決するために必要不可欠なスキルだとおもいました。
NPO法人カタリバは、学生等に対していろんな活動を行っているので、為になると思います。
○既研修生の事例発表
1.2.3期とすでにこのリーダー研修を受けた方が、自分の活動を発表してくださるプログラム。
やはり感じるのは、オーラと自信に満ち溢れた表情。これがこの研修を受けた方の姿なのかと先輩をかっこよく思いました。
この先輩たちの活動に関しては、今計画している今回の参加者の活動をこのブログで紹介していく中で、取り上げていきたいと思います。
□二日目(9時~18時)
○コミュニティオーガナイジング(パブリックナラティブ)
研修の1ヶ月前に、予習資料として送られてきた50ページのPDFデータ。といっても、7月に茨城県青年団体連盟でこちらの研修があり、自分はその日参加できなくて、コミュニティオーガナイジングの全ての資料約300ページを読んでましたが、なんて分厚い。
内容も内容で濃い。自分の行動原理、共感を得る人への伝え方を学びました。
もっとかみ砕く言い方をすると、
「自分の過去の失敗や経験、周りの人と同じ経験、全員が思う問題意識」を共有する話し方を習得するものです。
2日目の日中はこの講座で頭を使いましたが、どうも自分は落とし込めていませんでした。
しかし、3日目の発表では、「原稿なんて考えても仕方ないし、原稿通り話すなんてことしても、原稿を読むことに注力して想いなんざ伝わるはずもないや。
そんなの俺には合わないや。今までやってきたことを信じて、組み合わせて話せば良いや」と影山さんみたいな話し方をしましたが、意外に好評だったみたいです。
□3日目(9時~12時過ぎ)
○「子供若者の社会参加を進めるためには」というコミュニティオーガナイジングの室田さんの講演
コミュニティオーガナイジングジャパンの室田さんがアメリカで学んだことも踏まえて、コミュニティオーガナイジングに当てはめながら話をしてくださいました。
そこに出てくる同質な考えよりも「異質なものを受け入れる」「アイデアを見捨てない」考え方。
この考え方は、今自分が会社と大学で共同研究している「トランスメディエイター(=情報の媒介者)」に似ていて、色々比較してました。
さすが、コミュニティオーガナイジングを習得し、それを生かしながら、話をする姿は輝かしく、心に響きました。
○その他
他にも参加者は、フリーな時間を多くの情報共有の時間や飲み会の時間に使い、お互いを語り合いました。
プログラム的にはこんな感じでしたが、日本最高レベルの内容だったのは間違いなかったと同時に、自分は色々その知識やらをどこかで聞いたりしてたので
「これまで自分が学んだことの総復習と発展」「自信を持てる人生を生きていた」ような感じがしました。
特にそれを感じたのは、5人の参加者に自分の過去話やこの生き方をした時です。
「直感で感じたことを言葉にできることは強み」「今の社会の捉え方をちゃんと考えて動けてる」「俺では耐えられないけど、それで生きてるのは凄いわ」など、今の生き方を心から肯定してくれてる仲間の存在がすごく心強かったです。
また、全国の地域の中で活動している若者、青少年や子どもの育成支援に関わるリーダー等のような存在を連携できるように内閣府が推進事業として行っていることはすごくありがたいと思いました。
団体の中で活動の課題は、実践している人たち同士でしかわからないし、実際に地域の中でボランティア活動を実践しているとこうやって団体同士が連携することのありがたみを感じつつ、うまくできないことがあります。
この青年リーダー研修会は、募集も各都道府県で行っているのでぜひ地域の中で活動実践している若者には参加してほしいです。
さて、ここまで書いてきましたが、僕がこのブログを通して伝えたいのは、
これから内閣府青年リーダー研修に参加する人や行きたいと思っている人の背中を押したい
と思ったからです。
この研修は、面白い。間違いなく日本有数の面白い、そして学び合える研修です。
いろんな人に出会うことができます。
男女問わず、自分よりも年が2倍や2分の1差がある人、見た目以上に若い人、暗い過去を持ち乗り越えてきた人、そして、自分自身。
私はこの研修の中で笑顔が増えたと思いました。
めっちゃ笑っています。
もしどんなところか不安に迷っている人がいたら、私はこう言います。
この研修は、絶対にあなたを満足させることができる。
どうか勇気を出してみてください。
この投稿を目にして、進むことができる人がいることを願っています。
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以下、今回の講演をしてくださった団体のURLを載せます。
高塚人志先生のHP
NPO法人TEDIC
NPO法人カタリバ
コミュニティオーガナイジングジャパンのHP
communityorganizing.jp/
室田信一さん(首都大学東京)のHP
内閣府の担当課のサイトはこちらから行くことができます。
※こちらの記事は2年半前に別のブログに書いていたものを移行しました。